介護報酬1.59%増 介護職員の処遇改善へ
厚生労働省は22日、2024年度の介護報酬の改定内容を決定した。介護報酬は全体で1.59%の引上げとなり、うち0.98%分を介護職員の賃上げに充てる。賃上げに向けた処遇改善加算は一本化し、事務手続を簡略化する。加算の取得には、ICTの活用による職員の業務負担軽減など、働きやすい職場づくりを実現を求める。
わいせつ保育士の情報をDB化へ
子ども家庭庁は、4月より、子どもへのわいせつ行為で資格登録が取り消された保育士の情報(約20年分)を記録したデータベースを導入し、全国の自治体や保育施設に保育士を採用する際の検索を義務付ける。また政府は、子どもと接する職場で働く人に性犯罪歴がないかを確認でき、わいせつ事件が発覚した元教員らの再雇用を防ぐ「日本版DBS」の導入も検討しており、26日召集の通常国会での法案成立を目指す。
春闘賃上げ予測(専門家36人平均)
民間シンクタンクの日本経済研究センターが15日、今春闘の賃上げ予測をまとめた。平均は3.85%で、内訳はベースアップが2.15%、定期昇給が1.7%。実現すれば昨年の3.60%を上回り、1993年の3.89%以来の上昇率となる。
経団連の今春闘指針 中小企業の賃上げも後押し
経団連は16日、今春闘での経営側の指針として、大企業で4%以上の賃上げを目指す考えを示した。連合が掲げる「5%以上」の目標を前向きに評価し、「人件費の価格転嫁」が重要だと指摘して、大企業に対し、中小企業の賃上げも支えるよう求めている。
下請法違反の通知を誤通知 中小企業庁
中小企業庁は18日、下請法違反のおそれありとして自主的な点検や完全を促す文書を7,806社に対して誤って交付していたと発表した。判定システムの設定ミスが原因で、問合わせにより判明した。7,806社のうち3,905社は下請法違反のおそれは全くなく、同庁は対象企業に謝罪し、同日、通知文書を交付し直した。
自己都合退職の失業給付 1カ月早く
厚生労働省の労働政策審議会が10日、雇用保険制度の改正に向けた報告書を提出した。転職の妨げになると指摘されていた失業給付の給付制限について、自己都合退職は2カ月以上かかっていたが、1カ月に短縮する。このほか、在職中にリスキリングに取り組んでいたことを条件に、自己都合でも会社都合と同じ期間受給できるようにする。通常国会に関連法案を提出し、2025年度の実施をめざす。
実質賃金 20カ月連続で減少
厚生労働省が10日に発表した2023年11月の毎月勤労統計調査(速報)によると、労働者1人当たりの平均賃金を示す現金給与総額(名目賃金)に物価変動を考慮した実質賃金が前年同月比3.0%減で、20カ月連続の減少となった。名目賃金は同0.2%増で、統計開始以降最長と並ぶ23カ月連続の前年同月比増と上昇傾向にあるものの、物価の上昇が3%台で続いており、実質賃金のマイナス幅は10月の2.3%減から0.7ポイント拡大した。
休業でも失業手当の受給対象に 厚生労働省の特例措置
能登半島地震の被災者の生活再建に向け、厚生労働省は11日、勤務先が被災し休業するなどして一時的に働けない人について、雇用保険の失業手当の受給対象とする特例措置を設けた。石川、富山、新潟、福井4県の被災事業所の労働者を対象に、離職していなくても失業時と同じ、1日最大8,490円を支給する。
地方公務員の男性育休 初の3割超え
総務省は、2022年度の男性地方公務員の育児休業取得率が31.8%となり、過去最高だったと発表した。前年度比で12.3ポイント増えた。2022年度に育休が取得可能になった6万3,128人のうち、2万57人が取得した。
国民年金 子1歳まで保険料免除
厚生労働省は、国民年金の第1号被保険者を対象に、子どもが1歳になるまでの保険料を免除する方針を固めた。母親だけでなく父親や養父母も対象とし、出生日から最大12カ月(産前・産後の4カ月免除されている母親は免除期間終了後9カ月)免除する。自営業者の子育て世帯の負担を軽減させるのが狙い。2026年度中の実施予定で、2024年通常国会での法案成立を目指す。
11月求人倍率 4カ月ぶりに低下
厚生労働省の26日の発表によると、11月の全国の有効求人倍率(季節調整値)は1.28倍で、前月から0.02ポイント低下した。新規求人数(現数値)は、前年同月比で4.8%減少した。また、総務省が同日発表した11月の完全失業率は2.5%で、前月から横ばいだった。
テレワーク コロナ禍で急拡大も3年で半減
新型コロナウイルス禍で急速に広まったテレワークの活用が、コロナ禍の収束とともに後退している。民間の調査によると、テレワークを実施する企業の割合は15.5%で、2020年5月の初回調査から半減した。コロナ禍が去り、多様な働き方のメリットである生産性向上が十分に認識されていない実態が浮かび上がった。
65歳以上の介護保険料 所得420万円以上で引上げ
厚生労働省は、65歳以上の所得上位層の介護保険料に関し、2024年度から引き上げる方針を示した。対象となるのは年間の合計所得が420万円以上の人で、高齢者人口の4%に当たる約145万人。現行9段階の介護保険料の所得区分は、「420万円以上」から「720万円以上」までの階層を細分化し、全体で13段階とする。引上げ分は、低所得者の保険料引下げの財源にする。
トラック運賃 指標見直し
国土交通省は、トラック事業者が荷主から適正な運賃を得るための指標として示している「標準的な運賃」を、平均8%上げる見直し案を公表した。案では、運転手が荷物の積下ろし作業を強いられる場合に、その対価を運賃に加算するための目安も新たに盛り込まれた。待機時間の対価も引き上げる。運輸審議会に諮問し、今年度からの運用を目指す。
介護2割負担の拡大 見送り
介護保険サービス利用料を2割負担する対象者拡大の実施が、先送りされることとなった。厚生労働大臣は、財務大臣折衝後の会見で、負担への金融資産などの保有状況の反映の在り方やきめ細かい負担割合の在り方と併せて引き続き検討を行い、2027年度までに結論を得るということとした、と述べている。
診療報酬 全体で改定率マイナス0.12%に決定
来年度の診療報酬の改定率が、全体では0.12%減に決定した。医療従事者等の人件費に充てる「本体」部分は0.88%(うち0.61%は看護師やリハビリ専門職などへの賃上げ、0.28%は若手医師の賃上げや事務職員の賃上げに配分)増、薬代の「薬価」は1%減となる。また、同時改定される介護報酬は1.59%、障害福祉サービス等報酬は1.12%、それぞれ引き上げることとなった。
健康保険証 マイナ保険証への一本化は2024年12月
政府は21日、現行の健康保険証を2024年12月2日に廃止する方針を固めた。22日の閣議で廃止日を定める政令を決定する。「マイナ保険証」に事実上、一本化され、同日以降は新規発行が停止される。発行済みのものは有効期限内であれば最長1年間は使用可能。マイナカードを持たない人には「資格確認書」を発行して対応する。
来秋に紙の保険証廃止を表明
岸田首相は12日、マイナンバー情報点検総本部で、点検結果の報告を踏まえ、紙の保険証を来秋に廃止すると表明した。今後は、再発防止対策を講じつつ、マイナ保険証の円滑な利用に向けて、マイナンバーカードの改善を進める。総務省では、暗証番号の設定が不要で用途を保険証や本人確認書類に限定したマイナンバーカードを、高齢者の負担軽減策として15日から導入し、希望者全員に交付する。
厚労省改正案 雇用保険加入要件「週10時間以上」に緩和
厚生労働省は13日、労働政策審議会雇用保険部会で、雇用保険の加入対象について、現行の「週20時間以上の労働」から「週10時間以上の労働」に拡大することを含めた雇用保険制度改正の取りまとめ案を示した。失業給付などの支給条件となる労働日数の基準の緩和等も盛り込まれた。加入要件見直しは28年度中に実施する。2024年1月までに詳細を詰め、24年通常国会に関連法案を提出する。
与党税制改正大綱を決定
自民、公明両党は14日、2024年度の与党税制改正大綱をまとめた。構造的な賃上げ実現のため、1人当たり4万円の所得税などの定額減税、賃上げ促進税制の拡充・延長が盛り込まれた。また少子化対策として、児童手当拡大に伴う16~18歳の子を持つ家庭の扶養控除見直し、子育て世帯の住宅ローン減税の上限維持、23歳未満を扶養する世帯の生命保険料控除引上げなどが盛り込まれた。