最低賃金 地方の優先的な引上げを提言
政府の経済財政諮問会議で、民間議員が地方での優先的な最低賃金の引上げを提言した。地方への人材定着を促すのが狙い。また、菅首相は早期に全国平均1,000円への引上げを目指すと表明した。
雇調金特例、休業支援金 5月以降は原則縮減へ
厚生労働省は、雇用調整助成金の特例措置を5月以降は縮減することを発表した。1人当たりの上限額は1日13,000円に引き下げ、助成率は最大90%にする。また、休業支援金も5月以降は休業前賃金の8割を上限9,900円にする。ただ、経営の厳しい企業や新型コロナウイルスの感染拡大地域は5月以降も現行の水準を維持する。
健康保険証代わりにマイナンバーカード 本格運用先送り
厚生労働省は、健康保険証の代わりにマイナンバーカードを利用できるシステムの本格運用を先送りすることを明らかにした。3月下旬からの開始を予定していたが試行段階でトラブルが相次いだため、10月までの運用開始を目指す。
昨年の個人企業調査 飲食業採用15%減
総務省が発表した2020年の個人企業経済調査によると、個人経営の飲食サービス業の総採用数が平均0.57人と前年比で15%減った(19年6月~20年5月の数値)。新型コロナウイルス禍で需要が急減したため、採用の抑制が広がったとみられる。全産業では9%減の0.29人だった。
ワクチン休暇の要請検討
加藤官房長官は記者会見で、労働者が新型コロナウイルスワクチンを接種する際に休暇を取得できるような環境整備を検討する考えを示した。河野ワクチン担当相もインターネット番組で、会社員らがワクチン接種時や接種後に副作用が出た場合に休暇を取得できるよう、経済界と調整する方針を示した。
困窮する子育て世帯に子ども1人当たり5万円給付
政府は、新型コロナウイルス感染拡大により影響を受ける非正規労働者らへの支援策として、生活に困る子育て世帯を対象に子ども1人当たり5万円を給付することを決めた。過去2回の給付金はひとり親世帯が対象だったが、今回はふたり親も含め、児童扶養手当を受けているか、住民税が非課税の子育て世帯が対象。早ければ年度内にも支給する。
自民、少子化対策拡充提言
自民党は、5月をめどに、政府に対して少子化対策の拡充を提言する。第2子以降の児童手当の増額、ベビーシッター代の支援拡大などについて、有識者への聞き取りや議員間の討議で検討する。また企業を対象とする少子化対策の目的税や、使途を限る国債の発行などの財源についても詰める。
国際自動車事件が和解
タクシー会社の運転手が時間外労働をした場合、売上に応じた歩合給から残業代と同額を差し引く、と定めた賃金規則をめぐる訴訟で、原告の運転手らと被告の国際自動車との和解が成立した。会社側は運転手ら198人分の未払い残業代などとして、総額約4億円の和解金を支払うことで合意した。
三菱電機社員 パワハラで労災認定
2019年に三菱電機の新入社員が自殺したことにつき、尼崎労働基準監督署が労災を認定した。監督署より認定の理由はまだ示されていないが、教育主任だった上司からの暴言がパワーハラスメントにあたると判断された可能性が高いという。
1月の有効求人倍率 2カ月ぶり上昇
厚生労働省の発表によれば、1月の有効求人倍率が1.10倍と2カ月ぶりに改善し、2020年6月(1.12倍)以来の水準となった。1月は緊急事態宣言が再発令されたことから、仕事を探す人が減ったことが背景にあるとみられている。
健康保険証代わりにマイナンバーカード 試行運用開始
厚生労働省は、健康保険証の代わりにマイナンバーカードを利用できるシステムの試行運用を開始した。3月下旬の本格運用を目指し、全国19カ所の医療機関、調剤薬局で開始。
休業補償金 個人も申請可能に
厚生労働省は、昨年春の一斉休校を受けて新設された「小学校休業等対応助成金」について、個人からの申請を認めるよう最終調整に入った。子の休校で仕事を休むことになった保護者の休業補償のための助成金だが、これまでは企業が申請する必要があった。従業員からの求めに応じず、申請を拒む企業があるなど、休業した従業員から「利用できない」との声が出ていた。
休業支援金「制度を知った時期にかかわらず申請可能」
新型コロナウイルスの感染拡大で仕事が休みになったり減ったりしたのに、休業手当を受け取れない働き手が申請できる国の「休業支援金」について、コールセンターなどで「今年に入って制度を知った人は、(申請延長の)対象外」と誤った案内をした可能性があるとして、厚労省は、昨年4~9月分の対象者は「制度を知った時期に関わらず受け付けます」と明記したリーフレットを2/12からホームページに掲載した。
転職や転籍時のマイナンバー再提出不要に
政府は、会社員が転職や転籍をした際に、新たな勤務先へマイナンバー情報を提出しなくても済むように制度を改め、従業員の負担軽減をはかる方針。マイナンバー法を改正し、従業員の同意が得られれば、新旧の勤務先同士で情報を移せるようにする。9月からの実施をめざす。
求職者支援制度の対象を拡大
厚生労働省は、9月末までの特例として、現在月収8万円以下の人が対象となる求職者支援制度について、シフト制等で働く場合は月収12万円以下にまで対象を広げる。2月中にも条件を緩める。また、職業訓練の期間も2週間から受けられるようにする(従来は2~6か月)。
出向を後押し 官民協議会設置
出向を促進するための官民協議会「全国在籍型出向等支援協議会」が、17日に発足し、会議で労使の出向を積極的に進める意向を表明した。厚生労働省や経済産業省、経団連・日商・全銀協・連合などが参加する。厚生労働省が産業雇用安定助成金を創設するなど、政府は助成金や減税で出向を積極的に後押しする。
紙の約束手形廃止へ
経済産業省は、取引先の支払いに使う紙の「約束手形」について2026年をめどに利用廃止を各業界に求める方針を示した。全国銀行協会と連携し、インターネットバンキングの活用や電子記録債権(電子手形)への移行を促す。紙の手形では印刷から受け渡し、金庫での保管まで物理的に時間や費用がかかる。経産省は、最長120日までとしてきた手形の期限を、60日以内に短縮する方針も固めている。
介護施設に看護師を日雇いで派遣、4月から可能に
厚生労働省は、介護施設や障害者施設へ看護師を日雇いで派遣できるよう政令を改正し、4月から適用する。規制緩和後は、派遣会社と受入れ先の施設に対し、看護師の業務を事前に明示して労務管理を適切に実施することを求める。
パートタイム労働者比率31.14%、初の低下
2020年のパートタイム労働者の比率が31.14%(前年比0.39ポイント低下)となり、調査を始めた1990年以来、初めて低下したことが、厚生労働省の毎月勤労統計調査でわかった。20年の非正規社員数は2,090万人で75万人減。新型コロナウイルス禍で外食産業などがパートタイム労働者の雇用を一気に減らしたことが影響した。
大企業の非正規における休業支援を昨年春分から適用へ
コロナ禍で休業を余儀なくされたり、勤務シフトが減ったのに会社から休業手当をもらえない人が受けられる休業支援金制度について、厚労省は、今までは中小企業の働き手に限っていたのを大企業の非正規雇用の働き手にも対象を広げると発表した。当初は、今年の1月8日以降の休業からを対象としていたが、前回の緊急事態宣言が出た昨年4月以降の期間も含める方向で最終調整に入った。