新着情報

診療報酬 全体で改定率マイナス0.12%に決定

来年度の診療報酬の改定率が、全体では0.12%減に決定した。医療従事者等の人件費に充てる「本体」部分は0.88%(うち0.61%は看護師やリハビリ専門職などへの賃上げ、0.28%は若手医師の賃上げや事務職員の賃上げに配分)増、薬代の「薬価」は1%減となる。また、同時改定される介護報酬は1.59%、障害福祉サービス等報酬は1.12%、それぞれ引き上げることとなった。


健康保険証 マイナ保険証への一本化は2024年12月

政府は21日、現行の健康保険証を2024年12月2日に廃止する方針を固めた。22日の閣議で廃止日を定める政令を決定する。「マイナ保険証」に事実上、一本化され、同日以降は新規発行が停止される。発行済みのものは有効期限内であれば最長1年間は使用可能。マイナカードを持たない人には「資格確認書」を発行して対応する。


来秋に紙の保険証廃止を表明

岸田首相は12日、マイナンバー情報点検総本部で、点検結果の報告を踏まえ、紙の保険証を来秋に廃止すると表明した。今後は、再発防止対策を講じつつ、マイナ保険証の円滑な利用に向けて、マイナンバーカードの改善を進める。総務省では、暗証番号の設定が不要で用途を保険証や本人確認書類に限定したマイナンバーカードを、高齢者の負担軽減策として15日から導入し、希望者全員に交付する。


厚労省改正案 雇用保険加入要件「週10時間以上」に緩和

厚生労働省は13日、労働政策審議会雇用保険部会で、雇用保険の加入対象について、現行の「週20時間以上の労働」から「週10時間以上の労働」に拡大することを含めた雇用保険制度改正の取りまとめ案を示した。失業給付などの支給条件となる労働日数の基準の緩和等も盛り込まれた。加入要件見直しは28年度中に実施する。2024年1月までに詳細を詰め、24年通常国会に関連法案を提出する。


与党税制改正大綱を決定

自民、公明両党は14日、2024年度の与党税制改正大綱をまとめた。構造的な賃上げ実現のため、1人当たり4万円の所得税などの定額減税、賃上げ促進税制の拡充・延長が盛り込まれた。また少子化対策として、児童手当拡大に伴う16~18歳の子を持つ家庭の扶養控除見直し、子育て世帯の住宅ローン減税の上限維持、23歳未満を扶養する世帯の生命保険料控除引上げなどが盛り込まれた。


「くるみん」認定基準厳しく 男性育休取得率30%に引上げ

厚生労働省は「くるみん」の認定基準として、男性育休取得率の基準を現在の10%から30%に引き上げる方向で調整する。フルタイム労働者の平均時間外労働時間も、「月45時間未満」を「月30時間未満」へと引き下げる。年内に分科会の議論をまとめ、2024年以降に変更するよう関連省令を改正する。


国家公務員の男性育休取得率 初の7割超

人事院の発表によれば、2022年度の男性国家公務員(一般職常勤)の育児休業取得率が72.5%(前年比9.7ポイント増)となり、初めて7割を超えた。取得期間は、「2週間以上、1か月以下」が48.6%で最も多く、「1か月超、3か月以下」が22.5%で続いた。政府は30年度までに民間を含む男性育休の取得率を85%まで引き上げる目標を掲げている。


高校生の扶養控除 縮小案

16~18歳の子どもがいる親に適用されている扶養控除について、政府が、2026年から、所得税の控除額を38万円から25万円に、住民税を33万円から12万円に縮小する案を検討していることがわかった。2024年12月から高校生にも児童手当が支給されることに伴うもので、どの所得層においても児童手当支給額負担増を上回るようにする。12月中旬の与党税制改正大綱に盛り込む方針。


技能実習に代わる新制度「育成就労制度」 1年で転籍可

政府の有識者会議は24日、技能実習制度に代わる新制度創設等を盛り込んだ最終報告書をまとめた。原則就労1年超であること、一定の技能や日本語能力があることを要件として、同一業務区分内での本人の意向による転籍を可能とする。ただし、当分の間、各業界の判断で転籍制限期間を2年を超えない範囲で設定できるとする経過措置を検討する。この最終報告を受け、政府は来年の通常国会への関連法案提出を目指す。新制度への移行までには数年程度の周知期間を設けるとみられる。


賃上げ平均9,437円 過去最高を記録

厚生労働省は28日、2023年の賃金実態調査を発表した。ベースアップや定期昇給による月額賃金の改定額は社員1人当たり平均9,437円(前年比3,903円増)のプラス、改定率はプラス3.2%(同1.3ポイント増)となり、いずれも比較可能な1999年以降で過去最高を記録した。同省は、物価高を背景に賃上げに踏み切る企業が増加したとみている。


「育児時短就業給付(仮称)」は毎月の賃金の1割給付で調整

厚生労働省は、2歳未満の子どもを育てる労働者向けに、短縮した時間を問わず短時間勤務時の毎月の賃金の1割を給付する方向で調整に入った。給付の名称は「育児時短就業給付(仮称)」で、支給要件は育児休業給付と同様とする。年内に同省の審議会で原案を示し、2025年度からの導入を目指す。


育児・介護と仕事の両立支援策、法改正案に明記方針

厚生労働省は20日、育児・介護と仕事の両立支援策のとりまとめの方向性を示した。育児では、子が3歳になるまでテレワークで働ける環境をつくるよう企業に努力義務を課したり、小学校就学前まではテレワークや短時間、フレックスなどの勤務制度から2つ以上を選べるようにしたりする。残業免除は現行の「3歳まで」から「就学前まで」に拡充し、育休取得率の公表義務も現行の「従業員1,000人超」から「300人超」に変える。介護では、全従業員を対象に40歳になる際に支援制度の周知を義務付ける。労働政策審議会で年内にも制度内容を詰め、2024年の通常国会に提出する育児・介護休業法の改正案に盛り込む方針。


「モデル年金」見直しへ

「サラリーマンの夫と専業主婦の妻」世帯が受け取る年金を標準的な給付水準として示している「モデル年金」が見直される方向だ。21日に開催された厚生労働省の審議会では、様々なライフスタイルを想定したパターンの提示などの見直しが必要だとする意見が多かった。新たに年金額を算出する世帯の具体像は、2025年に予定される年金制度改正に向けて詰めるとしている。


労働者死傷病報告の電子申請を原則義務化

2025年1月から労働者死傷病報告等の電子申請が原則義務化される。2023年度内に新たなシステムが稼働する見通しで、関連規則を改正する。詳細なデータ分析ができるよう記入欄を増やし、事故の起こった場所や具体的な状況などを入力できるようにする。経過措置として紙での提出も一定期間は認め、労働基準監督署に設置するタブレット端末などでの入力も可能とするという。


仕事と介護の両立支援 2024年国会への法案提出を指示

13日、岸田首相は仕事と介護の両立支援制度を盛り込んだ育児介護休業法の改正案を、2024年の通常国会へ提出するよう指示した。従業員に対する情報提供や制度選択の意向確認の義務化が焦点となっている。介護休業制度の利用を促すための研修や相談窓口の設置を求めることも調整している。


育児休業給付の拡充案が明らかに

厚生労働省は13日、労政審の部会で育児休業給付の拡充案を示した。両親がともに14日間以上の育休を取得した場合に28日間を上限に給付率を引き上げ、手取り収入が実質的に10割となるようにする。また「育児時短就業給付」(仮称)を新設し、子どもが2歳未満で時短勤務をする人に、時短勤務の日数などにかかわらず賃金の一定割合を給付する案なども示された。給付開始前2年間のうち雇用保険加入期間が12カ月以上あることを条件とすることが検討されている。来年の通常国会に関連法案を提出する見通し。


リスキリング支援の新たな教育訓練給付 労使で大筋合意

13日、厚生労働省の審議会で、仕事を休んで教育訓練を受ける場合に生活支援のため支給する新たな給付について、失業手当と同水準を給付する案が提示され、労使が大筋で合意した。対象は雇用保険に入っていない労働者やフリーランスから雇用されることを目指す人などで、給付額は賃金の80~50%、日額は2,746円~最大16,980円。給付日数は自己都合退職者と同水準とし、雇用保険の加入期間に応じて90日、120日、150日とする。支給要件として雇用保険への一定期間の加入などを条件とすることが検討されている。


有休取得率が初の6割超え 義務化で拡大

厚生労働省の2023年就労条件総合調査によると、労働者の年次有給休暇の取得率は62.1%と初めて6割を超えた。2019年(52.4%)から10ポイント近く上がった。有給休暇の1人当たり平均持ち分は17.6日で、実際の取得日数は10.9日。労基法改正による年5日の有休取得義務化が追い風になった。


65歳以上の介護保険料見直し案が明らかに

厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会は、6日、65歳以上で年間の合計所得410万円以上の人の保険料を2024年度から引き上げる一方、低所得者の保険料は引き下げる見直し案を示した。引上げ対象は高齢者人口の4%に当たる約140万人で、引下げ対象は同35%に当たる約1,300万人。


少子化財源の「支援金」概要案判明

少子化対策の財源の一つとして創設する「支援金制度(仮称)」の概要案が、9日のこども家庭庁の会合で示された。現役世代や後期高齢者を含む全世代から、収入に応じた額を医療保険の保険料に上乗せして徴収する。使い道は法律に明記し、まずは妊娠・出産期から0~2歳の支援策に充てるほか、育児休業給付の拡充、親の就労に関わらず保育を利用できる「こども誰でも通園制度(仮称)」などの施策に充てる。年内に詳細を詰め、2024年の通常国会への関連法案提出を目指す。