求職者支援制度の要件を緩和
厚生労働省は、給付金をもらいながら職業訓練を受ける「求職者支援制度」の対象要件を緩和する方針を決めた。給付金を受けるための要件である世帯収入(月25万円以下)を月40万円以下に緩める。政府が19日に決定する経済対策に制度の拡充を盛り込み、年内にも緩和する。
中小向けに新給付金 最大250万円
政府は、コロナ禍による1か月の売上が前年か2年前の同月より30%以上減少した中小企業者を対象に、最大250万円となる新たな給付金を支給する方針を固めた。売上が年1億円未満の事業者に最大100万円、5億円以上で最大250万円とするほか、個人事業主にも最大50万円を支給する方針。
雇調金の特例を段階的に縮小
厚生労働省は、新型コロナウイルスによる雇用調整助成金の特例措置を来年1月から縮小し、労働者1人当たりの1日分の上限額を段階的に引き下げる方針を固めた。一方、助成率はすべての企業で、3月末まで現行で据え置く。所在地が感染拡大地域だったり、売上げが急減した企業については、日額上限の特例も3月末まで維持する。
保育士・介護職 3%賃上げ
政府は介護職員や保育士の収入引上げを行う方針を固めた。19日に決定する経済対策に盛り込まれる。引上げ幅は現行月収の3%程度にする。看護師、幼稚園教諭も賃上げ額を調整する。そのほか、政府調達の見直しも追加され、賃上げ実施企業からの優先調達が盛り込まれる方針。
厚労省 ワクチン接種における企業指針を明記
新型コロナワクチンの接種をめぐって、「接種しないことを理由に解雇された」「仕事を回さない」といった労働者等の悩みが弁護士会のホットラインに多く寄せられている。こうした事態を受け、厚労省はホームページの「新型コロナウイルスに関するQ&A」を更新し、「接種拒否のみを理由として解雇、雇い止めを行うことは許されない」と、企業への指針を明記した。
外国人の新規入国一部解除へ
政府は短期滞在のビジネス関係者や技能実習生などの新規入国を部分的に解除する方針を固めた。ワクチン接種を受けていることや、受入れ企業や団体が入国者の行動管理を徹底することなどを条件に制限を緩和するもので、早ければ8日にも実施するとしている。
一定台数以上の白ナンバーを保有する事業者にもアルコール検査義務付け
警察庁は4日、来年10月1日より、自社製品の配送などで「白ナンバー」の車を一定台数以上使用する事業者に対して、アルコール探知機による酒気帯び確認を義務づけると発表した。当初の予定では来年4月からの実施であったが、事業者等から準備が間に合わないとの意見が寄せられたことから、10月に変更となった。
新卒離職率が減少
厚生労働省の発表によると、2018年3月に卒業して就職した人のうち、3年以内に仕事を辞めた人の割合は、大卒者で31.2%(前年比1.6ポイント減)、高卒者で36.9%(同2.6ポイント減)であった。また、3年目の離職率は、大卒者が8.3%で前年卒と比べると1.6ポイント減り、高卒者も8.1%と同1.9ポイント減った。3年目にあたる2020年度がコロナ禍で、雇用環境の悪化により転職活動も活発でなかったと厚労省は分析している。
国民健康保険料 上限額引上げへ
厚生労働省は、国民健康保険の保険料の年間上限額を来年度から3万円引き上げ、年額102万円とする方針を明らかにした。引上げの対象となるのは単身で年収約1,140万円以上の世帯(現在は1,100万円以上)。引上げ分は医療費の増大に充てる。また、75歳以上が加入する後期高齢者医療保険の保険料上限についても、現行の年64万円から2万円引き上げる案を示している。
過労自殺者の約半数が直前に精神疾患発症
厚生労働省の調査から、2012~2017年度の6年間に精神疾患で労災認定された自殺者497人のうち47%(235人)が、発症から6日以内に死亡していることが明らかになった。また、全体の6割を超える318人が、精神科などの医療機関を受診していなかった。調査結果は2021年版の過労死等防止対策白書に盛り込まれる。
中小のデジタル化支援給付の受付再開
不正受給が疑われる事例があったため一時受付を中止していた「中小企業デジタル化応援事業」について、経産省は10月19日より新規受付を再開したと発表した。中小企業が専門家に支払う謝金の一部を補助する制度だが、その専門家については中小企業診断士などの資格を求めるなど、受給要件を厳しくした。
マイナ保険証の本格運用開始
マイナンバーカードの健康保険証利用の本格運用が10月20日から開始された。国が進める医療のデジタル化の一環で、就職や転職、引越しをしても、マイナンバーカードを健康保険証として引き続き使うことができる(医療保険者が変わる場合は、加入の届出が引き続き必要)など、多くのメリットがあるとしている。ただ、カードの普及率は10月17日時点で38.8%、カードリーダーの設置など必要なシステムの導入を済ませている医療機関等は同月10日時点で全体の約7.9%にとどまっており、今後の普及が課題。
雇調金の特例水準 12月末まで延長
厚生労働省は19日、11月までとしていた雇用調整助成金のコロナ禍を受けた特例措置について、来年3月まで延長した上で、現在の特例措置の助成内容(日額上限15,000円、助成率最大10割)を12月末まで継続すると発表した。来年1月以降の助成内容については11月中に発表するとしている。
2021年上半期の倒産件数2,937件 過去50年で最少
東京商工リサーチが8日発表した2021年度上半期(4~9月)の企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は、前年同期比24%減の2,937件だった。上半期としては過去50年で最少。新型コロナウイルス対策の資金繰り支援が下支えしているとみられる。
職場のトイレ「男女共用1個」でも容認
厚生労働省は、職場のトイレは男女別々にと定めてきた規則について、従業員10人以内なら「共用1つ」を認める例外規定を設けることを決めた。厚労省所管の「事務所衛生基準規則」では、「男性用と女性用に区別すること」と定められているが、実際は住居用マンションの1室などを事務所として使用して共用トイレだけというケースも多い。このため、男女別を原則とするものの、従業員10人以内なら共用1つだけでも認める省令改正案がまとめられ、11日に厚労省の審議会が承認した。公布は12月上旬の予定。
企業物価が高い伸び率 13年ぶり
日本銀行が12日発表した9月の国内企業物価指数は、前年同月に比べて6.3%上昇した。伸び率は2008年9月(6.9%)以来、13年ぶりの高さ。公表している744品目中、前年比同月で上昇したのは425品目、下落したのは229品目。原油価格の高騰を背景に、石油・石炭製品、鉄鋼や木材などが大幅上昇している。
求人倍率が3か月ぶり低下 求職活動の活発化が影響
厚生労働省は、8月の有効求人倍率(季節調整値)について、3か月ぶりに低下して1.14倍(前月比0.01ポイント減)だったと発表した。ワクチン接種の進展を背景に求職活動を始める人が増えたことなどが影響したとみられるが、求人数も増加傾向であることから、同省は「今後も大きくは落ち込まない」と分析している。また、総務省によると、同月の完全失業率(季節調整値)は前月と同じ2.8%で、横ばいの動きだった。
新型コロナ対応「月次支援金」を10月分まで延長 経済産業省
経済産業省は、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の影響で業績が悪化した中小事業者に対する「月次支援金」の支給期間について、9月30日の緊急事態宣言等の解除後も時短営業要請が続くことから、10月分まで延長すると発表した。従来同様、時短営業要請に応じた飲食店の取引業者や、外出自粛の影響を受けた中小事業者に対し、業種や地域を問わず、1か月当たり最大20万円が支給される。
年金通知書を97万人に誤送付 印刷ミスで別人の年金額などを記載
日本年金機構は6日、年金振込通知書の宛名と通知内容を取り違え、別人の年金情報が記載された通知書を愛知・三重・福岡の年金受給者約97万人に誤送付したと発表した。発送を委託した業者の印刷ミスが原因。同機構によると、通知書には氏名や口座番号は記載されておらず、個人が特定される恐れはない。なお、7日には和歌山県の受給者から同様のミスの指摘があったことが明らかにされており、ミスの件数は今後さらに増える可能性がある。
民間平均給与2年連続減少、賞与も大幅減
国税庁の調査で、民間企業の会社員やパート従業員らの昨年1年間の給与が平均433万1,000円で、前年を0.8%(3万3,000円)下回り、2年連続で減少したことがわかった。また、賞与は平均64万6,000円で、前年を8.1%(5万7,000円)下回り、リーマンショック後の2009年(13.2%)に次ぐ減少幅だった。