最高裁「事業主は労災認定争えず」
従業員の労災認定について、事業主が国に不服申立てができるかが争われた訴訟の上告審判決で、4日、最高裁は「原告適格を有しない」とする初判断を示した。事業主が不服を申し立てる場合は、労災保険料の決定段階で適否を争うべきと結論付けた。国は二審判決後の23年に、メリット制の適用を受ける事業主が保険料認定処分に関する不服申立てにおいて、労災認定への不服も主張できるよう運用を変えている。
骨太の方針2024を閣議決定
政府は21日、「経済財政運営と改革の基本方針2024(骨太の方針)」を閣議決定した。デフレ完全脱却の実現に向けて、物価上昇を上回る賃上げを定着させ所得と生産性の向上と持続可能な社会への転換を目指す、とした。賃上げの具体策として、価格転嫁のさらなる徹底や人手不足業種におる自動化技術の利用拡大、リスキリングの強化やジョブ型人事(職務給)の導入などを挙げている。
厚生年金 規模要件を撤廃
厚生労働省は、厚生年金に加入する際の企業規模要件を撤廃する方針を固めた。従業員5人以上の個人事業所の非適用業種も解消し厚生年金を適用する方向で、新たに約130万人が加入対象となる。撤廃により企業側に発生する保険料や事務負担に関する支援策は今後検討し、2025年の通常国会に関連法案を提出する。
個人情報漏洩時の報告期限「30日以内」へ延長方針
個人情報保護委員会は27日、個人情報保護法改正に向けた中間整理案を公表した。現状3~5日以内となっている個人情報漏洩時の同委員会への報告期限を、原則30日以内(不正アクセスの場合は60日以内)へ延ばす方針を示した。本人への通知や原因究明が適切にできると、第三者機関から認定されていることが条件となる。一方、規制強化に関する内容としては、本人の求めにより、生体データ等は原則、使用停止や削除に応じなければならないなどが盛り込まれた。課徴金等の導入は引き続き検討事項とされ、年末までに最終案が取りまとめられる予定。
「解雇無効」勝訴後の復職は約4割
5月31日の規制改革推進会議に提出された厚生労働省の調査結果で、不当解雇されたとして裁判を起こした労働者が、勝訴後に復職した割合が約4割だったことがわかった。「解雇無効時の金銭解決制度」の検討材料として実施した調査で、労務訴訟に関わった弁護士231人に直近5年の判決について尋ねたもの。復職した労働者の2割弱は、使用者の嫌がらせなどにより、結局は退職していたこともわかった。
ねんきん定期便 今年度中にデジタル化の方針
厚生労働省は、「ねんきん定期便」を今年度中にデジタル化する方針を固めた。現在もマイナポータルにアクセスすることで情報を確認できるが、システムを開発し、今後はアクセスしなくても自動的に配信されるようにする。今月改定する「デジタル社会保実現に向けた重点計画」に盛り込む。
技能実習生も「訪問介護」従事可能に
厚労省は19日、訪問介護サービス分野での外国人労働者の従事制限緩和に関する案をまとめた。早ければ2025年からの実施をめざす。現在、訪問介護サービスに従事できる外国人は在留資格「介護」と「EPA介護福祉士」に限られているところ、初任者研修を修了した技能実習生や特定技能の人なども従事できるようにする。対象拡大にあたり、事業者には、利用者等への丁寧な説明やトラブル対応のための環境整備等の遵守事項を適切に履行できる体制・計画等を有することが求められる。
改正建設業法が成立
建設従事者の賃上げや働き方改革を促す改正建設業法が、7日の参院本会議で成立した。担い手の確保を目的に、建設業者への労働者の処遇改善を努力義務とした。また、それに向けて賃金原資の確保と下請事業者までの行き渡りを促す措置として、資材価格転嫁の円滑化による労務費へのしわ寄せ防止措置を規定したほか、長時間労働の抑制のための著しく短い工期による契約禁止なども盛り込まれている。
被用者保険の企業規模要件「撤廃」多数
被用者保険の適用範囲に関する議論を進めている厚労省の有識者懇談会にて、11日、今年10月から従業員51人以上に拡大される企業規模要件と、非適用業種の撤廃を求める声が多く挙がった。撤廃された場合、適用対象が約130万人増える見込みで、事業主への支援や準備期間確保の必要性も指摘された。マルチワーカーやフリーランスへの適用拡大は実務負担が大きいとして、意見が分かれた。議論は来月にも取りまとめられる予定。
個人情報漏洩件数 初の1万人超
個人情報保護委員会は11日、2023年度に企業や行政機関等から報告された個人情報漏洩件数が、17年度以降で過去最多の1万3,279件となったと発表した。1万件超は初。22年度以降、個人情報漏洩の際の委員会への報告や本人への通知が義務化されたことなどで報告件数が急増している。
4月の有効求人倍率は1.26倍
厚生労働省の5月31日の発表によると、4月の有効求人倍率(季節調整値)は1.26倍(前月比0.02ポイント減)となった。物価高による収益悪化から、求人を控える傾向が続いている。製造業の新規求人数が減少(前月比7.8%減)し、4月から残業時間の上限規制が適用開始となった建設業(同3.9%)や運輸・郵便業(同2.3%)などでも減少した。一方、総務省が発表した同月の完全失業率(季節調整値)は2.6倍と、2カ月続けての横ばいとなった。
老齢年金請求手続の電子申請が可能に
厚生労働省は、3日から単身者で他の公的年金を受け取っていない人の老齢年金について電子申請で請求手続がきるようにした。事前準備ができている場合、スマートフォンなどで「マイナポータル」にアクセスすると、15分程度で申請が完了するという。3日より電子申請が可能なのは24年度に65歳を迎える人の1割程度程度にとどまり、今後は配偶者がいる人も対象とするため、対応を急ぐ。
改正子ども・子育て支援法が成立
少子化対策を盛り込んだ改正子ども・子育て支援法が5日、参院本会議で賛成多数により、成立した。児童手当の所得制限撤廃、高校卒業までの支給期間延長は、令和6年12月に支給される10月分から実施。児童扶養手当の第3子以降の加算額引上げは令和7年1月に支給される令和6年11月分から実施される。また「共働き・共育て」の推進に向け、出生後休業支援給付および育児時短就業給付が創設される。財源の1つとして創設される支援金は、令和8年度から医療保険料とあわせて徴収される。
改正育児・介護休業法が公布
31日、改正育児・介護休業法が公布された。これまで支援の中心は「3歳に満たない」子を養育する労働者だったが、「小学校就学の始期に達するまで」に拡充され、子を育てながら柔軟に働けるような制度の導入が企業に義務付けられる。さらに、男性の育児休業取得率の公表を求められる企業が1,000人超から300人超へと拡大される。
厚生年金 企業規模要件を撤廃へ
厚生労働省は、短時間労働者の厚生年金加入をめぐる企業規模要件について、撤廃する方針を固めた。試算によると、新たに130万人が適用対象者に加わる。また、従業員5人以上の個人事業所の非適用業種も原則撤廃し、飲食業や宿泊業なども対象とする見通し。6月にまとめる骨太の方針に盛り込考え。
60歳以上の労災3.9万人、8年連続の増加に
厚生労働省の27日の発表によると、昨年に労働災害で死傷した60歳以上の人は、前年比1,714人増の3万9,702人(うち死者290人)で、8年連続過去最多となった。労働者全体(死傷者数13万5,371人)に占める60歳以上の割合は29.3%。足がもつれたり、つまずいたりしたことによる転倒や、階段からの転落が多いとみられる。
企業の28%で従業員からカスハラ相談
17日に公表された厚生労働省の調査結果(「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」)で、過去3年間で従業員からカスタマーハラスメントについて相談を受けたと回答した企業が約28%に上ることが、わかった。また就職活動やインターンシップを経験した男女への調査では、約3割がセクハラ被害に遭ったと回答したことも、明らかとなった。
フリーランス新法 11月1日施行
「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス・事業者間取引適正化等法)が、11月1日に施行されることとなった。20日の厚生労働省の検討会では就業環境の整備に関する具体的な内容を定めるための報告書がまとめられ、発注者に出産・育児や介護との両立への配慮を義務付ける業務委託期間を「6カ月以上」とすることが決まった。同日公表された報告書をもとに、政省令の公布の準備を進める。
所得税の定額減税、給与明細への明記を義務化
政府は、6月から実施する定額減税について、所得税の減税額を給与明細に明記するよう企業に義務付ける。3月に改正した関連省令が6月1日に施行されることによるもの。国民に減税の効果を実感させる狙い。
カスハラ対策義務化を検討へ
厚生労働省は、労働施策総合推進法を改正し、企業にカスタマーハラスメント防止策を義務付ける検討に入った。対応マニュアルの策定や相談窓口の設置など、従業員を保護するための対策が想定される。自民党のプロジェクトチームも13日に提言案をまとめており、政府が6月にも取りまとめる「骨太の方針」に対策の方向性が盛り込まれ、労働政策審議会でカスハラの定義など慎重に議論される見通し。
社会保険労務士法人大谷労務