海外過労死対策の団体が結成
海外勤務中の過労死や過労自殺について、国や企業に対策や労災補償の促進を求める「海外労働連絡会」を、労働者の遺族や弁護士などが3月に結成した。今後、事例を集め対策をまとめるとしている。労災保険特別加入の手続き漏れも多いと見ており、実態調査の必要性を訴えている。
給与の「デジタル払い」 飲食・運輸業界で増加
給与の「デジタル払い」に関して、スマートフォン決済「PayPay(ペイペイ)」が提供するサービスを導入する企業が100社を超えた。従業員への福利厚生の一環として、飲食や運輸業界などで導入する企業が増えているとのこと。民間調査機関MMD研究所の「給与デジタル払いとポイント経済圏に関する調査」では、デジタル払いの認知度は61.9%に上った一方、現在利用していると回答した人は2.8%にとどまった。
厚生年金減額、2031年度以降に先送りへ
厚労省は年金制度改革で、2028年度から予定されていた厚生年金の減額を2031年度以降に先送りする方向で調整。2030年度まで厚生年金の受給額は現行と同水準の見込み。
春闘賃上げ率 大企業、中小企業とも5%台
連合の2025年春季労使交渉の第3回集計結果によると、定期昇給を含む正社員の賃上げ率は平均5.42%と、前年同期を0.18ポイント上回り、2年連続で5%台となった。組合員300人未満の中小企業の賃上げ率は、前年同期を0.31ポイント上回る平均5.0%となった。
75歳以上の全員に資格確認書を送付
厚生労働省は3日、マイナ保険証を持っているかどうかにかかわらず、75歳以上の高齢者らに、従来の健康保険証と同じように利用できる資格確認書を自動的に配る方針を示し、了承された。後期高齢者医療制度では毎年7月末に保険証の期限を迎えるが、自治体の窓口に資格確認書の交付申請が殺到するおそれがあるため、すべての人に資格確認書を交付する。
令和7年4月より健康保険・厚生年金保険の電子申請様式が変更
日本年金機構は、2025年4月より健康保険・厚生年金保険の電子申請様式を変更することを発表した。
就活の「オワハラ」防止を要請
政府は21日、2027年3月に卒業予定の学生などの就職に関し、「オワハラ」の防止を徹底するよう、経済団体などへ要請文を出した。文書では、内定の承諾に保護者の同意を確認する行為、いわゆる「オヤカク」も「オワハラに該当し得る」として注意を促した。
日本版DBS 年内をめどに指針策定
こども家庭庁は26日、子どもと接する職場で働く人の性犯罪歴を雇用主側が確認する「日本版DBS」の2026年からの導入に向け、関係省庁会議を開き、4月から新たに設置する有識者検討会で具体的な中身を議論し、今秋までに中間まとめを策定するスケジュールを示した。年内をめどにガイドラインやマニュアルを策定する予定。
アマゾン配達中のけが、労災認定
アマゾンの配達を担うフリーランスの男性運転手が配達中の24年3月に負ったけがについて、宮崎労基署から2月28日付で労災認定されたことを、19日、男性の代理人弁護士らが明らかにした。男性はアマゾンの荷物を配送する運送会社と業務委託契約を結んでいたが、アマゾンのスマホアプリを通じて配達先や労働時間の管理をされていたため、「労働者」として判断、労災認定を受けたとみている。アマゾン配達員の労災認定は全国で2例目。
大卒内定率が過去最高92.6%に
文部科学省・厚生労働省は14日、2025年春の大卒予定者の就職内定率が92.6%(2月1日時点。前年同期比1.0ポイント上昇)だったことを公表した。コロナ禍前を上回り、1999年度の調査開始以来過去最高となった。
ストレスチェック全事業場義務化 安衛法改正案
政府は14日、労働安全衛生法の改正案を国会に提出した。これまで努力義務としていた従業員50人未満の事業所にストレスチェックの実施を義務化する。成立すれば、公布から3年以内に施行される予定。プライバシー保護の観点から、10人未満事業場では全員の同意がなければ結果分析はしないこととした。
介護職員の月給4.3%増
厚生労働省は18日、常勤介護職員の平均月給(昨年9月時点、賞与や手当を含む)が33万8,200円だったと発表した。前年同月より1万3,960円(4.3%)増加した。賞与を除く基本給等は平均25万3,810円で、1万1,130円(4.6%)増だった。同省は「報酬引上げの結果が一定程度反映されている」とした。
高額療養費の引上げを見送り
政府は7日、高額療養費制度の自己負担上限額引上げをいったん見送ることを決定した。秋までに改めて方針を決定する。新年度予算案を再修正するには、参院での可決後に、衆院での再議決が必要となる。
カスハラ対策義務化 改正法案閣議決定
政府は11日、労働施策総合推進法などの改正案を閣議決定した。企業にカスハラ対策義務を課し、対応方針の明確化や相談窓口の設置などを求める。詳細は改正法成立後に指針で定め、公布後1年半以内に施行される。
職場の熱中症対策 義務化へ
厚生労働省の労働政策審議会安全衛生分科会は12日、熱中症対策を罰則付きで事業者に義務付ける改正省令案要綱を了承した。「暑さ指数」28以上または気温31度以上の環境で連続1時間以上か1日4時間を超える作業を行う際に、対策とその周知を義務付ける。4月にも改正省令を公布し、6月の施行を目指す。
最低賃金1,500円目標、中小「不可能・困難」が7割 日商調査
日本商工会議所は5日、「中小企業における最低賃金の影響に関する調査」の集計結果(全国3,958社が回答)を発表した。2020年代に全国加重平均1,500円にするとの政府目標に、対応が「不可能」は19.7%、「困難」は54.5%で計74.2%に達した。対応可能な年率の引上げ水準については、「1%未満」から「3%程度」までの回答が67.9%を占め、政府目標を達成するための7.3%を満たす「7%程度」「8%以上」は計1.0%にとどまった。
「男女の賃金・待遇差分析ツール」の公表
政府は3日、企業が自社における男女の賃金や待遇差等を同業他社等の平均と比較できる分析ツールを発表した。厚労省ホームページからダウンロード可能で、従業員の性別や給与、年次等を入力することで利用できる。役職を持つ女性の割合なども比較できる。
「障害者就労支援士」創設決定
厚労省は、「障害者就労支援士」(仮称)の創設を決定した。2月27日に同省の作業部会が取りまとめ案を了承した。2028年の運用開始を目指す。障害者が増加する中、就労支援の体制が十分ではなく、障害者の労働環境を整える「ジョブコーチ」養成制度はあるものの、資格は存在せず人材が不足していた。案では、実務経験が3年以上あることなどを受検資格とし、厚労省が指定する民間機関が学科試験を実施した上で認定する。将来的には国家資格化も検討する。
2026春大学卒業予定者の内定率が過去最高
就職情報サービスの学情の調査で、1月末時点の2026年春卒業予定の大学生・大学院生の内定率が48.2%と過去最高となった(リクルートの2月1日時点調査も39.3%で過去最高)。内定を得た学生の半数以上がインターンシップに10社以上参加しており、「期間5日以上」などの条件を満たせばインターンでの評価を本選考で活用できるとの2023年のルール変更以降、インターン参加者を対象とした早期選考が定着している。
パート社会保険料の肩代わり 全額還付
厚労省は、従業員50人以下の中小企業が一定年収のパート従業員の社会保険料を肩代わりした場合の特例について、肩代わりした保険料を全額企業に還付する方向で調整する。今国会への提出を目指す年金制度改革法案に盛り込む。成立すれば、2026年10月をめどに3年間の時限措置として実施される予定。