新着情報

企業価値担保権の実行による事業譲渡、雇用の維持が原則

厚生労働省は7日、2026年5月25日に施行される事業性融資推進法に対応するための事業譲渡等指針に関する見直し案を取りまとめた。同法は事業の実態や将来性等の無形資産に着目した融資を受けやすくする企業価値担保権を創設するもので、事業譲渡等の際は事業を解体せず、雇用を維持することを原則とする。指針には、裁判所によって選定される管財人が労働者や労働組合等と協議を行うことを求める等を盛り込む。


歯周病検査実施企業に費用補助の方針

厚生労働省は、職場の健康診断で歯周病検査を実施する企業に対し、2026年度から費用補助を行う方針を固めた。検査担当者の人件費や分析費用の一部を補助する見込み。検査には簡易的な唾液シートを使用し、歯周病の可能性がが高いと診断された従業員には企業から歯科医の受診を促してもらう。「骨太の方針」に盛り込まれた「国民皆歯科検診」の一環で、同省は26年度予算の概算要求に事業費として約1億8,000万円を計上している。


従来の保険証 3月末まで利用可を周知

12月2日から「マイナ保険証」へ完全移行するのに伴い、厚生労働省は12日、2026年3月末までは従来の健康保険証でも窓口で使用できる特例措置に関する事務連絡を、医療関係団体などに発出した。75歳以上の後期高齢者や国民健康保険の保険証は今夏に期限切れとなっているが、同様の対応を取っている。


外国人らの国民健康保険料の前納を可能に

厚生労働省は10月29日付で、外国人らの国民健康保険加入時に保険料を前納させることができるように、関連する条例の改正例などを自治体に通知した。保険料を課す前年度の1月1日時点で日本国内に住民登録をしていない世帯主が前納の対象となり、帰国した日本人も含む。最大1年分の保険料の前払いを求め、支払期限を過ぎても納付されない場合は滞納処分が可能となる。自治体ごとに必要性を判断し、早ければ来年4月から運用が始まる。


フリーランス法施行から1年 「違反」が445件

フリーランス法に関して、9月末までの11カ月間で公正取引委員会が同法をもとに発注業者に出した勧告が4件、指導が441件に上った。大部分は「取引条件の明示義務違反」と「報酬の支払い遅延」によるもの。また、同法が義務付けるハラスメント防止や相談体制の整備について、都道府県労働局は今年3月までに指導21件と助言419件を実施した。


夏のボーナス平均額 2.9%増の42万円

厚生労働省が発表した9月の「毎月勤労統計調査」で、今夏のボーナスの1人当たり平均額は42万6,337円(前年比2.9%増)と、4年連続の増加となった。事業所規模30人以上での平均額は49万6,889円(前年比3.8%増)であり、規模による伸び率の差は大きくなった。


酷暑で労働生産性低下 170兆円の経済損失に

世界保健機構(WHO)などの研究チームは29日、地球温暖化による労働生産性の低下などが原因で、2024年に世界の国内総生産(GDP)の1%に相当する約1兆900億ドル(約170兆円)経済損失が生じた可能性があるとする報告書を公表した。酷暑によって労働者の欠勤率が増えるなどして各産業での労働時間が大幅に失われたと指摘、温室効果ガス削減などの温暖化対策の強化が急務であると訴えている。


パワハラによる精神疾患が最多 過労死白書

厚生労働省が28日に公表した「令和7年版 過労死等防止対策白書」によると、令和6年度の労災等認定件数で精神障害事案は1,055件と過去最多だった。出来事別の労災支給決定(認定)件数は、「パワーハラスメント」が最多(224件)で、「仕事の量、質」209件、「対人関係」197件が続いた。また、過労死等に係る調査・研究の重点業種である外食産業のアンケート調査結果を紹介。過去1カ月で平均的な1週間当たりの労働時間が週60時間以上と回答した割合が多かったのは、職種別に「店長」が29%、「エリアマネージャー、スーパーバイザー等」24%「店舗従業員(調理)」13.3%の順だった。


確定拠出年金 「放置」対策として手数料引上げ。

転職時に移換手続きがされないまま放置される企業型確定拠出年金(DC)の資産が増加していることを受け、国民年金基金連合会などは、令和8年4月から、資産を移す費用を1,100円から500円に引き下げ、管理手数料を月52円から月98円に引き上げる。これにより、転職先での資産の再運用を促す。


退職代行「モームリ」に家宅捜索

警視庁は22日、退職代行サービス「モームリ」の運営会社や提携する2つの弁護士事務所に、弁護士法違反容疑で家宅捜査に入った。弁護士資格がないのに報酬を得る目的で弁護士に法律事務をあっせんした疑いや、法的な争いを代理人として交渉するなど法律事務を行った疑いがある。退職代行サービスの利用は増加しており事業者は100者以上(25年時点)とされ、社会的影響が大きい会社が「組織的」に行っていた可能性があることや弁護士も関係している点などから、早期に証拠品などを押収するため捜査に入った。


労働時間規制緩和の検討を指示

高市首相は21日、心身の健康維持と従業者の選択を前提に、現行の労働時間規制の緩和を検討するよう、上野厚生労働大臣へ指示した。上野氏は22日の会見で、「誰もが働きやすい労働環境を実現していく必要性や、上限規制は過労死認定ラインであるということも踏まえて検討する必要がある」と述べ、働き方の実態やニーズを把握するための調査結果を精査しながら、今後、厚生労働省の労働政策審議会で議論を深めたいとしている。


「エッセンシャルサービス」維持のための政策を検討

経産省は、人口減少時代に地域の医療・介護・物流などエッセンシャルサービスを維持するための政策を検討する地域生活維持政策小委員会を設置し、22日に初会合を開く。組織のあり方や省力化技術、政策・制度の現状と課題を議論し、年内に支援対象業種の特定、人手不足への対応などの支援制度を取りまとめる。


リスキリングの定着に向けた有識者会議設置へ

厚生労働省は、リスキリング(学び直し)の定着のため、2026年春に有識者会議を新設する方針を決めた。政府は、22年に今後5年間で企業への補助金や教育訓練受講中の賃金補填に対する支援策として1兆円を投じる方針を打ち出したが、自己啓発支援等の費用に支出した企業は5割強にとどまっている(24年度調査)ため。26年6月以降に展開する全国的なキャンペーンを見据え、周知方法などを検討する。


客室乗務員の働き方に関する新基準を作成へ

国土交通省は、客室乗務員(CA)が十分に休養をとれる環境を作り、保安要員の役割を持つCAの現場対応力を高めるため、CAの働き方に関する基準を新たに作成する。15日から有識者会議で議論を開始し、1日単位や1年単位で乗務時間の上限を定めるなど、現行より詳細な基準に改める。乗務前の十分な睡眠時間の確保についても検討する。操縦士の働き方に関する基準は、すでに国際標準に沿って2019年に改正されている。


在留資格「経営・管理」の許可基準を厳格化

外国人が日本で起業するために必要な在留資格「経営・管理」の要件を厳格化する改正省令が10月10日に公布され、10月16日より施行される。資本金等の要件を3,000万円以上に引き上げ、経営に関する一定以上の経歴・学歴を求めるほか、1人以上の日本人や永住外国人等の常勤職員を雇用すること、申請者または常勤職員が中上級者レベルの日本語能力であること等を求める。


障害者雇用率 手帳のない難病患者も対象に

厚生労働省の有識者研究会は3日、障害者雇用率の算定に、障害者手帳を持たない難病患者らも対象とする方向で検討することを明らかにした。本人の申請に基づき、医師の意見書などを踏まえて、就労の困難さを判断することを想定。対象とする症状などはこれから検討し、2027年の関連法の改正を目指す。


日本の教員 勤務時間減少もなお最長

経済協力開発機構(OECD)は7日、2024年の「国際教員指導環境調査」の結果を公表した。日本の教員の勤務時間は、小学校と中学校いずれも前回調査(18年)よりも減ったが、参加国の中では変わらず最長で、事務業務や課外活動など授業以外の時間が国際平均より長かった。また、教員不足を感じる割合も国際平均より高かった。


日本版DBS スポットワークの保育士も確認対象

こども家庭庁は9日、子どもと接する職場で働く人の性犯罪歴の確認を事業者に求める「日本版DBS」について、確認対象となる人の基準を示し、子どもと接する機会に係る「支配性」「継続性」「閉鎖性」の3要件をすべて満たす場合に対象となるとした。送迎バスの運転手や調理員なども、要件を満たす場合は対象となる。また、教諭、保育士等は短期・長期の従事であるか否かにかかわらず継続性ありとして判断され、スポットワークの保育士なども対象とする考えを示した。基準等は年内にガイドラインとして示され、来年12月に運用開始予定。


子育て支援金は0.24%上乗せ 健保連が試算

健康保険組合連合会(健保連)が、児童手当拡充などの財源となる子ども・子育て支援金について、公的医療保険の料率に0.24%程度を上乗せして負担する見込みと試算した。徴収は2026年4月に始まり、労使折半の場合、月収20万円なら月240円、34万円なら408円、50万円なら月600円ほどになる。政府は年末の予算編成にあわせて上乗せ率を一律に示す方針で、加入する保険によって負担の差が生じないようにする一方、国保や後期高齢者医療に拠出する支援金の計算方法は自治体によって異なるため、上乗せ率にバラつきが出るとみられる。


10月から変わる医療費、最低賃金

後期高齢者医療で、医療費の2割を自己負担する被保険者に対し、2021年改正法により2022年10月から講じられていた外来窓口での負担を抑えるための配慮措置が9月30日で終了し、外来窓口で支払う自己負担額が2割となった。厚生労働省の推計によると影響が生じるのは約310万人で、平均で年間9,000円程度の負担増となる。地域別最低賃金は10月以降順次引き上げられ、全国加重平均は前年度比66円増の1,121円。