新型コロナウイルスの影響で解雇や雇止めになった労働者が、8月末時点で5万326人(見込み含む)となったことがわかった。雇用形態別(5月25日〜8月21日)では、非正規雇用労働者が2万625人に上る。業種別(8月21日)では、製造業が最も多い7,575人。都道府県別(同)では東京都が1万1,200人と最多。
厚生労働省が発表した7月の有効求人倍率は1.08倍となり、7カ月連続のマイナスとなった。同数値は2014年4月以来、6年3カ月ぶりの低水準。新規求人数は前年同月比28.6%減で、業種別では、「宿泊業、飲食サービス業」「製造業」「生活関連サービス業、娯楽業」などの下落が目立った。
新型コロナウイルス対策で拡充している雇用調整助成金の特例措置について、政府は、現行の助成率(最大100%)や上限額(1万5,000円)のまま12月末まで延長する方針を固めた。また、来年1月以降は内容を縮小して続ける方向。
独立行政法人「労働政策研究・研修機構」の調査(20〜64歳の労働者4,881人を対象)によると、新型コロナウイルスの影響で休業を命じられた労働者(603人)のうち、休業手当を「全く支払われていない」と答えた人が24%(145人)に上ることがわかった。このうち69%をパート、アルバイト等の非正規雇用者が占めている。
厚生労働省は、副業・兼業を行う労働者の労働時間管理について、新しい指針を公表した。労働基準法では本業・副業の労働時間を合算して管理することが求められているが、新指針では、労働者に本業と副業それぞれの勤務先に残業の上限時間を事前申告することが求められる。企業は、自社に申告された残業時間の上限を守れば責任を問われない。企業の労務管理の煩雑さを減らし、兼業・副業を認める企業を増やす方針。